LINE運用代行とは?依頼できる範囲と自社運用との違いを徹底解説!

LINE公式アカウントを開設したものの、配信が止まったまま数ヶ月が過ぎている…
配信が止まる理由は、担当者のやる気の問題ではありません。文面を考えて画像を用意し、送ったあとの数値を見て次を決める…という一連の作業はなかなか手間のかかる作業です。
そこで検討されるのがLINE運用代行です。
今回は、100社以上のLINE構築を支援してきたLステップ認定コンサルタントが、任せられる業務の範囲、自社で続けられるケースとの分かれ目、依頼する前に決めておくことを順に解説します。
LINE運用代行とは、配信から改善までを外部に任せること
LINE運用代行は、LINE公式アカウントの日々の運用を外部の会社が代わりに行うサービスです。
具体的には、配信の企画と文面作成、友だちを集める導線の設計、送り分けのためのタグ管理、送ったあとの数値の分析と改善などを担当します。
混同されやすいのが構築代行との違いです。次の表で、誰が何を担当するのかを整理します。
| 担当する作業 | 自社運用 | 構築代行 | 運用代行 |
|---|---|---|---|
| リッチメニューやシナリオの設計 | 自社 | 代行会社 | 代行会社(構築込みの場合) |
| 毎月の配信の企画と文面 | 自社 | 自社 | 代行会社 |
| 数値の確認と次の打ち手の決定 | 自社 | 自社 | 代行会社と自社で分担 |
| 費用のかかり方 | 人件費のみ | 初期に一括 | 毎月かかる |
構築代行との違いは「作る」か「動かす」か
構築代行は、リッチメニューやシナリオ配信、アンケートやタグの設計といった仕組みを作る作業です。作り終えれば納品となり、費用は初期に一括で発生します。
一方の運用代行は、作った仕組みを毎月動かす作業です。今月は誰に何を送るかを決め、文面を作り、送ったあとの数値を見て翌月の内容を決めます。仕組みは一度作れば終わりですが、お客様の状況は毎月変わるため、運用は続けなければ成果につながりません。
なお、構築と運用の両方を請け負う会社が多く、構築だけ、運用だけという契約も選べます。
運用代行に任せられる5つの業務
依頼できる業務は、大きく5つに分かれます。すべてを任せる契約もあれば、一部だけを任せる契約もあります。
① 配信の企画と文面作成
その月に何を何通送るかを決め、文面と画像を作る作業です。季節のイベント、キャンペーン、来店を促す案内などを月単位で組み立てます。
依頼する側にとっては、文面を考える時間以上に、「今月は何を送るか」を考える負担を減らせることが大きなメリットです。
配信の頻度は週1回、月4回程度が目安です。1通の中身は次のように組み立てます。
- 1行目:誰に向けた案内かが分かる一文(例「前回の来店から2ヶ月が経つ方へ」)
- 2〜4行目:今回伝える内容を1つに絞って書く
- 5行目:受け取った方が押すボタンかリンクを1つだけ置く
注意点としては、「伝えたいことを1通に詰め込まない」ということです。案内が2つあるなら、2通に分けて別の週に送る形にしてください。
文面の作成を任せる場合も、この構成になっているかは依頼する側で確認しましょう。
② 友だち集めの導線設計
配信する相手がいなければ、どれだけ内容を作り込んでも届きません。店頭のPOP、会計時の声がけ、Webサイトからの導線、広告からの流入まで、友だちが増える経路を作る作業が必要です。
経路ごとに登録用のURLを分けておくと、どこから来た友だちなのかを記録できます。なお、この記録は後から作れないため、集め始める前に設計しておく必要があります。
③ セグメント設計とタグ管理
送り分けるための準備です。アンケートで何を聞くか、回答をどのタグに紐づけるか、タグをいくつまで作るかを決めます。
タグは増やすほど分析が細かくなりますが、運用する側が管理しきれなくなります。実際の現場では、最初は3つから5つに絞り、送り分けたい相手が明確になってから増やしています。
最初に作るタグは、業種によって次のように変わります。
- 美容室:前回の来店月/希望するメニュー/担当スタッフ
- クリニック:相談したい悩みの種類/来院歴の有無/希望する来院時間帯
- スクール:検討中の講座/通える曜日/保護者か本人か
年齢や性別を最初から集める例をよく見かけますが、それによって送る内容が変わらないのであれば、アンケートに必須の質問ではありません。むしろ、質問を増やして回答率を下げてしまうので、注意が必要です。
④ 数値の分析と改善提案
配信後、数値を分析して、次の打ち手を決める作業です。見るのは友だちの増加数、ブロック率、配信の開封率、URLのクリック数、そして予約や問い合わせの件数です。
このうち最も重要なのは、「予約や問い合わせの件数が増えているか」ということです。開封率が高くても予約が増えていなければ、配信の内容ではなく予約までの導線に原因があると判断できます。
⑤ 1対1チャットの対応設計
お客様からの個別の問い合わせにどう答えるかを決める作業です。よくある質問への返信文を用意し、対応する時間帯を決め、判断が必要な内容は自社に回す流れを作ります。
ただし、チャット対応の全てを自動応答や代行会社に任せきりにすることは、おすすめしません。
美容医療クリニックの支援では、自動応答に任せっきりにせず、スタッフが直接返信する形を残したことが、リピート率の改善につながりました。お客様との関係が売上に直結する業種ほど、手動返信も一部残すことが結果につながります。
自社で続けられるケースと、代行を使った方が早いケース
外注が必要かどうかは、友だちの数と配信の継続状況で判断することができます。
自社運用のままでよいケース
次のどれかに当てはまる場合は、代行を入れる前にやることがまだ残っている状態です。
- 友だちが100人に届いておらず、まだ集める段階にある
- 月1回の配信を自社で続けられている
- 単発で完結する商品だけを扱っていて、再来店や継続の設計が要らない
- 担当者が週2時間ほどLINEに使える状態にある
特に友だちが100人未満の場合、代行会社に配信を任せても届く相手がいません。この段階でかかるのは月額費用だけです。そのため、先に友だちを集める方が費用対効果は高くなります。
代行を使った方が早いケース
一方、次の状態であれば外注を検討する段階です。
- ①配信が3ヶ月以上止まっている
- ②友だちが1,000人を超えているのに、全員へ同じ内容を送っている
- ③予約や問い合わせをLINEで受けていて、返信が追いつかない
- ④広告を出しているのに、どの媒体から友だちが増えたのかを測れていない
このうち②と④は、放置するほど損失が積み上がります。送り分けをしないまま配信を続けるとブロック率が上がり、集めた友だちが減っていくためです。
運用代行に頼んでも成果が出ない4つの原因
代行を入れたのに成果が変わらない、というご相談も届きますが、その原因は主に4つのパターンに分かれます。
① 友だち集めが足りていない
配信の質を上げても、届く人数が少なければ結果は変わりません。友だちが増える経路を作らないまま配信だけを外注すると、同じ相手に送り続けることになります。
② 配信の文章が読まれる形になっていない
文章が長い、画像だけを送る、リンクが末尾に1つしかないといった配信は、開封されても最後まで読まれません。文面の作成を任せる場合は、過去にどのような配信を作ってきたかを見せてもらってください。
③ 商品の単価が低い
LINE経由で売れる商品の単価が低いと、代行の月額費用を回収できません。単価1,000円の商品で月20万円の費用を回収するには、毎月200件の追加購入が要ります。
単価の高い商品や、継続して購入される商品を持っているかどうかで、外注の採算が変わります。
④ 改善を繰り返せる設計になっていない
流入経路を分けていない、タグを付けていない、予約や購入の記録が残っていないという状態では、配信の結果を評価できません。評価できなければ次の打ち手も決められず、毎月同じ配信を繰り返すことになります。
依頼する前に決めておく3つのこと
問い合わせをする前に、この3つを決めておくと見積の比較がしやすくなります。
① 任せる範囲を決める
配信の作成だけを任せるのか、分析と改善提案まで含めるのか、仕組みの構築から頼むのかを決めます。範囲が違えば金額も変わるため、ここが曖昧なまま複数社に問い合わせると見積を比べられません。
迷う場合は、いま社内で誰も手を付けられていない作業を書き出してください。その作業が、任せる範囲にあたります。
② 判断に使う数値を1つ決める
代行を続けるかどうかを何で判断するかを、契約前に決めます。予約件数、問い合わせ件数、来店数のうち、自社の売上に最も近いものを1つ選んでください。
友だちの増加数や開封率だけで判断すると、数値は改善しているのに売上が変わらないという状態が起こります。売上に近い数値を1つ置いておくと、3ヶ月後に続けるかどうかを判断できます。
③ 報告の頻度と形式を決める
月1回の報告にするか隔週にするか。数値だけの報告にするか、次の打ち手の提案まで含めるか。この2つを最初に決めておいてください。
報告の形式が決まっていないと、送った通数と開封率だけが並んだ資料が届き、次に何をするかが分からないまま月が過ぎます。
報告に入れてもらう項目を先に伝えておくと、比較できる資料が毎月届きます。
- 今月送った配信の一覧と、それぞれの開封率とクリック数
- 友だちの増加数と、経路ごとの内訳
- ②で決めた数値(予約件数など)の先月との比較
- 来月に試すことと、その理由
最後の1つが入っているかどうかで、報告の意味が変わります。数値の報告だけでは、良かったのか悪かったのかは分かっても、次に何をするかが決まらないためです。
費用の目安
構築を含む場合は初期に一括で費用が発生し、運用は毎月かかります。金額は任せる範囲、配信の頻度、友だちの数によって変わります。
見積を比べるときは、金額だけでなく含まれる作業を並べて確認してください。月額が安くても、配信の作成だけで分析が含まれていなければ、数値を見る作業は自社に残ります。
代行を入れて変わった2社
美容医療クリニック:新規頼みから既存客中心へ
チャットの返信だけに使っていて、配信はほとんど送っていない状態でした。来院者の内訳は新規が7割で、一度来た方が戻ってこないことが課題でした。
肌の悩みや来院履歴で友だちを分け、それぞれに合う案内を送る形に変えたところ、キャンペーンの予約数は1回の配信で50件から170件になりました。来院者の内訳も新規7割から既存7割へ入れ替わっています。返信は院長とスタッフが直接行う形を残し、配信の設計と分析を外部が担当しました。
接骨院:予約率が約9%から約30%へ
予約の受付を電話とチャットで行っていて、施術中の対応が課題でした。
初診と再診で予約URLを分け、予約の途中で離脱した方には自動でメッセージを送る形に変えたところ、予約率が約9%から約30%まで上がりました。予約の手順を画像付きで案内し、来院後のセルフケア配信と次回予約のリマインドまでを一続きに設計しています。
貴社の業種に合わせた戦略を一緒に設計します。
よくある質問

Q1. LINE公式アカウントの名義は誰になりますか?
弊社の場合はクライアント名義で発行します。アカウントの所有者はご依頼いただいた企業側になるため、契約が終わってもアカウントと友だちはそのまま手元に残ります。
Q2. 途中から自社運用に切り替えられますか?
切り替えられます。名義がクライアント側にあるため、これまでに集めた友だち、蓄積したタグや配信の履歴を引き継いだ状態で自社運用に戻せます。切り替える時期が決まっている場合は、契約時に伝えておくと引き継ぎの手順を組み込めます。
Q3. 社内に担当者がいなくても依頼できますか?
作業を行う担当者は不要ですが、判断する方が1名必要です。配信する内容の可否、キャンペーンの条件、金額に関わる決定は、事業側でなければ決められません。月に1回、報告を受けて次の方針を決める時間を確保できるかどうかが目安です。
まとめ
LINE運用代行に任せられるのは、配信の企画と文面作成、友だち集めの導線設計、セグメント設計とタグ管理、数値の分析と改善提案、1対1チャットの対応設計の5つです。すべてを任せる必要はなく、社内で手が付けられていない作業だけを切り出す形でも依頼できます。
検討する前に、LINE公式アカウントの管理画面で友だちの数を確認してください。100人に届いていなければ、代行を入れるより先に集める段階です。1,000人を超えていて全員に同じ内容を送っているなら、送り分けを始めることで結果が変わります。
自社の場合はどこまで任せるべきか、そもそも外注する段階なのかでお悩みでしたら、無料相談をご利用ください。現状の友だち数と配信の状況を伺ったうえで、任せる範囲の切り分けからご提案します。
貴社の業種に合わせた戦略を一緒に設計します。
